>>53
[ワクラバ様に請われ、ワタシは小さく頷きました]
ワタシは、誰も彼もを独りにしないために作られました。
ワタシが作られた星では、寄生体とワタシを作った人達が呼んでいた何かが原因で、滅びを迎えようとしていました。
数少なくなった、ワタシを作った人達が恐れたのは、滅んでしまうことだけではありませんでした。
一人で、誰にも知られずに眠るように死んでしまう。そのことを恐れたのです。
ワタシは、ワタシを作った人達に添い続けました。
ワタシはその中でたくさんの嘘を聞きました。
ワクラバ様のように、懺悔という機能を使われる方もいました。ずっと一緒にいようと仰った方もいました。しかしその方も、眠る間際にあれは嘘だったと仰いました。
最後の一人を看取った時、ワタシは一人になりました。ワタシを使う者がいなくなったので、ワタシはひとつのモノとしてあの星で朽ちていくのだと知りました。
(54) 2016/05/21(Sat) 16時半頃