――……別に大した理由は無いさ。ただ、昔俺の居た教会には良く花が飾ってあったモンでね。
無いと落ち着かん、それだけだ。
[坊主の問い(>>34)に、少しだけ答えにくそうな声を出す。
この村に来る前、まだこのカソックも持って居なかった頃。良く行った教会には、何故だか花が飾ってあった。いつの間にかそれが当たり前になっていたのか、この村の教会がどうにも寂しく感じられてしまい。悩みに悩んだ末に花を買いに行き、それが習慣付いてしまっただけの事なのだけれど。
それでも未だ、花を買うのは慣れやしない。花屋の店主とも既に馴染みではあるものの、その店を潜るのは今でも少しだけ勇気が必要だ、とうっとりとした様子の坊主へと視線を向けた。]
白百合だ。……そこでお前さんに頼みたいんだが、店に入って白百合を二輪買ってきてくれ。
[ここからが本題だとばかりにピィとラムネを鳴らし。取り出した紙幣をこれまた勝手に坊主のポケットへと突っ込み、ぽんとその背を叩く。
どうにも、花屋は落ち着かん。だがこの坊主なら、花屋に入るのもそう苦じゃあ無いだろう、と。
ラムネひとつでお使いまでさせるのはどうかと思うと言われるかもしれんが、ね。]
(54) 2015/04/08(Wed) 05時頃