ー 自室 ー
[嫌な夢を見た。冬だというのに寝汗でぐっしょりと濡れたパジャマに眉をしかめ、布団から出て着替えを始める。朝の準備を念入りに行いながら、]
今日はなにもしたくないな
[と、言葉を漏らす。しかしそれは正解ではない。昨日ハナを助けようとしたこと、セレストから逃げ出したこと、それについて考えなければいけない。僕のしようとしたことは、正解だったのか? 状況を見謝っていなかったか、僕は考えなければならない。だって]
間違えたら痛い目にあう。
[去年だってそうだ。なにかが間違ったから、あんなことに……。思考がそこまで先走って、僕はかぶりをふった。]
なんだよ。去年のことって……。なんで今更そんなこと思いんだすんだよ。
[そうだ、確か去年、セレストのやつから逃げ出した昨日の僕みたいに、誰かが寄宿舎から走り去って逃げ出した。……戻ってこなかった。
窓を開けると、外は猛吹雪で、雪がガタガタと窓を叩いている。
あのときも、こんな風に吹雪いていた……]
間違えたら、痛い目にあう。
(53) 2013/02/05(Tue) 14時半頃