――回想・朝/宿の高級な部屋――
[ あのあと>>11目が覚めたのは、
カリュクスが抜け出して戻ってきたあと>>38、
そして、シスター・オーレリアが目覚め、
かの現場に遭遇し、もどってきたあと>>48のことか。
師匠の講義は早朝からはじまることも多いため、
『わたし』の睡眠時間はそう多くないほうだ。
使用人やほかの弟子に起床をうながされる必要が
ほとんどないほど、目覚めはよい。
ゆえに、『わたし』が目覚めると、となりのベッドで
カリュクス・カルペディエムがすやすやと
寝息を立てていたかもしれない。
眠りについているあいだ、祈りを唱えられた>>38
ことは知らないまま、
あいかわらず、無防備だ……と、その寝顔を、
『わたし』はじっと見つめる。いわゆる、
アルビノというものなのだろう。睫毛が白く、
夜の空に飾られた月のように、くるりと
カールしているだろうか。]
(53) 2017/08/15(Tue) 22時頃