>>35
、おい ――ッぅ?
[つらくないか、と問うたはずの本人が、頬に光の筋を作っている。
思わず身を起こして、そちらに手を伸ばした。
上半身を覆っていた毛布がずれて、腹の辺りへとわだかまる。
その刺激でまた、下腹部から疼くような痺れが生まれて、びくりと動きが止まる。
さっきから、腹のあたりがおかしい。
だが、それを確認するよりも、目の前で涙を零す後輩の方が気がかりだ。
届くなら、その雫を親指で拭ってやりたいが、その動きは毛布で隠せる範囲内でのこと。
涙を零す後輩の顔を覗き込み、眉を下げる。]
んだよ、お前の方が辛そうじゃねえか。
なんかあったのかよ。
[視界の奥で、四井が部屋を出る様子が見えた。>>42
なんだか、去るには妙な動きだったが、その内心を推し量ることはできないだろう。
確かにタオルは今必要だ。動ける四井にそれを任せ、後輩の様子に集中する。*]
(52) 2016/06/09(Thu) 20時頃