[こっちに来てからというもの、
おともだち、と呼べる存在をクリスマスは得られていない。
海底世界から地上――もとい、海上にあがって来た海の星の住民を見かけ、
話しかけてみる機会はあったのだけれど、
意思疎通ができなかったから友達になれようはずもなかった。
空と海の色がミッドナイトブルーに染まる頃出会ったそのヒトは、
頭にチョウチンアンコウに似た突起が生えていた。先端がぴかぴか光るところも似ていた。
声の大きさに合わせて突起がピンとなったりへにゃんと垂れ下がったりする様子は、
「エデン」にいた白色のあの子を思い出させてくれて微笑ましかった。
けれど同じ言葉でおしゃべりできた(あるいはこっちが一方的に喋りまくっていただけだったかな)あの子とは違って、
そのヒトとは挨拶すらも交わせなかった。だってお互い言葉が通じなかったのだもの]
(52) 2018/04/24(Tue) 23時半頃