[構えた砲の熱は冷め、今は黒い雨にその身を晒すのみ。
不意に、再び構築の音を響かせて《組変わり》《縮小》する。
そうして現れたのは一本の傘。
…と言っても重金属とワイヤー製の、鈍色のソレなのだが。]
そうだね。
私も、勝負どころでは無くなってしまった。
次はもっと、穏やかな戦いだと良い。
[>>48降り始めた黒い雨と、混じり滴る多くの異形。
歴史書自らが登場人物に数えられるなど馬鹿な話だが、積み上げた歴史が崩れようと言うのなら、喜んで名を連ねよう。
艶めく黒の背を見送るのは、黒い表紙の古書。
歴史に記されるのは数値と結果のみ。個人の想いまでは内包されず、脚色や捏造は、後世の者達の大特権と言ったところか。
真の歴史を知るのは、いつの世も本人だけ
ただその手伝いが出来ればと、歴史書は意志と出歩くための殻を与えられ、真の、隠され埋められていく歴史の救済をせんと――
それでも《ソラ》の守護者の真実は、未だ掴めぬまま。]
(52) 2014/11/13(Thu) 02時半頃