ー 昨日 / 廊下でスージーと ー
[ 腕の中に収まる艶やかな金を、細い指で撫でるように梳かす。
すん と鼻を鳴らすスージーは、きっと匂いを確かめているのだろう。少し恥ずかしい。 ]
わぁ、すごい!匂いを辿ってスージーをあたしのとこまで連れて来るなんて、リリィてば本当に賢い子。
ふふ、良かった。
[ ローズなんて女性らしい香りだから、背伸びしているようで自分には似合わないと思ったけれど。
ちゅ 桃色の唇が頬に触れれば、赤髪は思わず擽ったそうに片目をぱちと閉じる。それからふにゃりと笑みを浮かべた。 ]
───… なぁに、ヤキモチ?
[ 小鳥が運んできた手紙を読もうとすれば、隣から覗き込んで来ようとする親友に冗談ぽく笑う。差出人のスヴェンという字はばっちり見えたはず。
普段から鬱陶しがっているのに、手紙のやり取りをしているなんて矛盾は、不思議がられるだろうか。 ]
(51) 2015/02/04(Wed) 15時頃