[部屋へ向かう前。
共有の荷物を運びながら、ふと、ライジの言葉>>33を思い出していた。
「うちの味を気に入ってくれて嬉しいよ」
それは間違いではない。
たいした味でなければ、また行こうなどとは思わなかったろうし、そもそも、誰が作っているかなんて、気にもしなかった筈だ。
美味かったから、また食べたいと思った。
どんな店主なのかと、少なからず記憶した。
同好会で会ったのは、まったくの偶然、想定外ではあったけれど、共通の趣味を持っているということに、喜びを感じた。]
………。
ラーメンの味だけじゃねぇんだけどな……。
[三脚をまとめる金属音に紛れさせるようにして、ボソリと呟く。
比率が変わったわけではない。
ラーメンは、初めて食べた時も、今でも、とても美味しいと思っている。
他の要素が、追加で、どんどん大きくなっているだけだ。]
(51) 2015/11/12(Thu) 13時頃