……相変わらず、つれないですねえ。
興味ないって言いながら、しっかり視てるじゃないですか。
フランクさんの え っ ち 。
[いかにも人工らしい音声に、にぃ、と悪戯めいた笑みを向ける。>>@17
ふざけているようで妖艶さも乗った笑みは、ケイイチ本人には到底作れないものだ。
こんなやり取りも、数年前の大規模作戦の頃から変わらない。
いきなり主人の元に飛び込んで来た人間に何ができると訝しんだものだが、色々と有益な働きをくれたお蔭で、あの作戦は大層愉快なものとなった。
そこでケヴィンの右腕である対魔忍に寄生できたのも僥倖だった。彼は今も殺さずに飼っている「お気に入り」のうちの一人でもある。
ただ、そんな思い出も脳裏に浮かんだのは一瞬のこと。
誰より愛しい主人の声が、この鼓膜を打ったのだから。>>46]
――マスター!
[ぱ、と花のような笑みが、触手の海の中で咲く。]
(51) 2018/02/19(Mon) 23時頃