[悪魔としてはらしくない呟きに肩を竦めれば、ふと朝方の事を思い出す。]
─ 回想、朝、台所と廊下 ─
[夕月玲華。さらりと流れる黒髪か特徴的な彼女は、広間にいた千亜紀とは対照的な存在だった。
それは彼女の発した言>>39がいい例だろう。
愉しみたいと、そう言った言葉が。]
愉しいかどうかねぇ。悪くはねぇと思ってるさ。
居たい所に居られるからなぁ。
[悪魔が夕月の者に飼われてやる対価として、この屋敷を貰い受けた。
人に固執する様になった思い出を作った場所である、この屋敷を。]
焼き鮭か、承知した。
[>>40玲華のリクエストに諾と返し、そうして悪魔は浴室へと向かう彼女の姿を見送る。
用意された朝餉は焼き鮭に根菜類の味噌汁、それから出汁の利いた卵焼きにほうれん草の胡麻和えといった、腕に自信があるからこそ出来たシンプルなメニューだった。*]
(51) 2015/01/16(Fri) 22時半頃