[怒りのままに黒薔薇を落とし、
棘が肌を切り裂く痛みは無視した。
このままではじりじりと消耗するばかり、ならば――。
南方は一瞬瞠目し、考える。
流が一閃したとき、篠塚の挙動と共に茨の攻撃も止んだ。>>39
つまり、篠塚の意識と薔薇は連動している可能性が高い。
元は魔女のおかげで得た力が、魔女に効くのかはわからなかったが――]
(そ れ でも 試 すん で しょ ?)
[フフ、と響く女の声が、最早能力のものなのか、他の狂気によるものなのか判別のつかぬまま――
隙を見て南方は篠塚藍に指を突きつけ、
彼女の脳髄に、
キン、と張った轟音の幻聴を響かせようとするが
さて、どうだっただろう。
そうなる前に勝負がついたり、南方自身が絡め込まれるということもあるかもしれず。
足止めできれば あの”羽のペンダント”へ攻撃するようにと叫ぶつもりだ]
(51) 2014/07/03(Thu) 01時半頃