[自分が言った言葉のあと、ヴェスパタインは驚いた表情を見せる。
ああ、失言してしまったかと、きゅ、と心臓が締め付けられる。だが、その後の相手の彼の表情は、特段嫌と感じているわけではなさそうで。
物好きと言われてしまったが、はたして本当に自分は物好きだろうか。
目の前にいるのは、こんなに整った顔をした美しい人であるというのに。]
っ、えっと…
だめだった、かな。
おれは…君のこと、綺麗だと思ったし、それに。
[おれは、好きだな。
と、その言葉だけ小さくなってしまう。
髪を弄る手だって、綺麗だと思うし、それを見る目だって、美しいと思う。
ああでもやはり、彼が自分を見てくれている時の目が一番好きかもしれない。なんて。
なんだかこそばゆい感覚がして、彼に向けていた視線をまた下に落とす。
顔が熱い。目の前の彼にとって今の自分の顔は、酷く紅潮しているのだろうか。それを考えるだけでも、恥ずかしい。]
(50) 2015/04/08(Wed) 04時頃