[>>39ドアの向こうの空気が、一瞬にして豹変した。
「いない」「朧」「拘束」「気絶」……物々しい単語が並べ立てられる。
いかに欲に溶けた脳でも、その気配には肩をびくつかせて、思わずドアの方を見た。
『亀吉さん!!!!ドア、閉めて!!!!
内側から開かないように、押さえて!!!!!!』>>40
効いたこともないような四井の声。
だが当の亀吉はまさに今自分が乗っている上に、肩には生々しい傷跡が。]
っ、え、あ…… ど、あ……? っくんんっ、んぅっ
[訳もわからぬまま亀吉から降りようとすると、ズル、と抜ける感触に思わず声が出た。
怪我をしている亀吉だけに、負荷のかかる仕事をさせるわけにはいかない。
震える脚で歩み寄りながら、状況の見えないドアの方へと声をかけた。]
かめよ、っさん、肩、怪我してて……ッ、ドア、閉めれば、いい?
(49) 2016/06/13(Mon) 22時半頃