194 DらえもんNび太の遺産相続


【人】 逃亡者 メルヤ

 
[ メルヤという名はマダムがくれた。

 呼び名がないのでは不便でしょうと、
 記憶喪失ということに対して
 腫れ物に触るような態度をとる訳でもなく、
 ただただ穏やかに過ごす日々が続いた。

 マダムは不思議な人だった。
 素性も知れぬ自分の医療費やら生活費やら全て出してくれ、
 なおかつ記憶の戻らない自分を、
 まるで昔からここに住んでいたかのように扱うのだ。

 最初は遠慮していたけれど、
 それもいつしか氷が解けるように消えてゆき。 ]
 

(49) 2016/07/27(Wed) 01時頃

← ↓ ■ □

ツール

クリップボード

ピックアップ

>>【】