[だが、声をかけられれば、振り向くことなく。]
逃げろと言ったはずだ…。
日常に戻れると、もどれと…。
君達は君達を守る人たちに生かされているんだ…。
君達は幸せに、日常にもどらなければ、ここで死んだ人間は誰一人報われない…。
[そう言いながら、指で牢屋の外、机の上の小瓶を指差した。
顔は変わらず壁に向けたまま…。]
そこにあるのは、対アンデッドウイルス用の毒薬だ。
上にもどって、高いところから撒けば、地上のゾンビくらいはなんとかなる…。
[最も、アンデッドウイルスを直接注ぎ込まれた自分。
この異常な耐久性から察するに、いろはにはきっと効き目はない。]
君達の代わりに生きたかった人達もいる…そんな命を、頼むから無駄にしないでくれ…。
君達は、俺の願いどおり、その手を汚さずにここまで生き残れたのだろう?
(49) りおん 2011/12/14(Wed) 00時半頃