[着物を下腹部にかけても、亀吉はなんら淫らな反応はしなかった。
ガリガリと引っ掻いている様子>>46を見て、ひとり内心、安堵した。
キルロイのようには、なっていないようだ。
そしてそのことに、募る違和感。
なぜ、へクターはこんなことを?
いびつなハートは、キルロイの紋に似せたものとしか思えない。
奴は、キルロイの紋のことを知っているということだろうか。
……でも、キルロイは自分を信頼して、自分に処理を頼んできたのだ。『へクターにも頼んだ』とは言っていない。
背中に、冷たい汗が流れた。
へクターの去り際、亀吉が口にした名前。>>28
直円、と。
ギリ、と歯ぎしりした。
まさか。あいつが、へクターをのっとっているとでも。
……けれど、もしそうなら。想像以上に本部は壊滅的だ。
そして最悪の場合。へクターを、殺すしかないのかもしれない]
(48) 2016/06/11(Sat) 17時頃