[それから数日たったある日、母親が所用で店を外し、変わりに雪斗が店番をしていたときだった。]
いらっしゃいませ…あ、
[やってきたのは同じクラスの久住だった。どうやら彼がこの店で本を注文していたらしい。やや重い空気の中、彼に頼んでいた本の名前を聞き、その小説を渡す。その後、なんと彼はこの本を買ったことを皆には黙っていて欲しいといった。]
え?内緒にするの?
[当時、クラスでも話題に上っていた本だったために、クラスに行けば話しの種になるだろうに、と思いながら。その疑問を口に出せば、彼はこっそりとその理由を話してくれた。]
え…
[理由を聞き、驚いた。確かに彼はほかのクラスメイトとは違う雰囲気があったが、あまり彼は気に留めていなかった。]
…分かった。ほかの皆には言わないでおくよ。
[そう言った後、小さな声で彼に声をかける。]
(48) 2014/04/10(Thu) 08時半頃