[部屋は光で満ちていた。
円を複雑に絡ませたそれは魔法陣と呼ばれるものだ。
その円に頂点を打つように、三体の人形が置かれている。三体は互いを赤青緑の三色の光で結ばれ、何も無い空間に床から上に向かってオーロラのように輝きを放っている。
その中央に彼女がいた。
窓が開いていないのに衣服と髪が舞い上がり、それにあわせるかのように、小さくて艶やかな唇から詠唱が紡がれる]
es kundigt an es kundigt an es kundigt an
<告げる、告げる、告げる――>
Unter dem Namen von Gott Jryara S uesugi es kundigt an.
<神の名の下に、ジリャーラ・ソレイユ・ウエスギが告げる>
Der Tod Person Leben Es jagt Du Sunder.
<死せる者、命狩る者。汝らは罪人なり。>
[すっと右腕が伸ばされた。
そして強くこぶしを握った。
爪が白い手のひらに刺さり、紅い雫が指を伝って落ちる]
(48) 2014/11/07(Fri) 00時半頃