―フェルゼというひと―>>30
はい、えっ? えっ?
[ 初めて見るひとが、わたしの名前を知っていました。わたしは面食らった声を上げてしまったのですけれど、お師匠様は何ひとつ不思議がる様子もなく。]
「ええ、お願いするわね、フェルゼ。」
[ そうおっしゃって、彼に先導を任せたのでした。
しばらく館内を歩めばやがて、隣りあった二室へ案内されました。こちらはお師匠様の、その隣はわたしの居室、と。]
あ、ありがとうございます…?
[ 同じくお礼を述べて室内へ姿を消したお師匠様。
どう挨拶するのが良いのかな、と思いつつフェルゼという彼に軽く会釈をするのでした。]
……あ、あの。
……この集いでは皆様、どのように過ごされるのでしょうか?
[ おもてなしするよう、とグロリア様から言われている。とすれば、参加者の方々の過ごされようもご存知でしょう。聞くなら早いうちに、とフェルゼさんに尋ねるのでした。]
(48) 2020/10/16(Fri) 21時頃