[姉は二人いる。年子の姉と大学生の姉だ。ギャルなのは大学生の方。5歳離れている。麻倉の姉から見れば1つ上だろうか。大学デビューの姉は気質自体は真面目な方なのだ。派手な髪型とメイクと、格好に目覚めただけで。]
厚揚げウマいだろ?油にも拘ってんの。とーちゃんが。
[ちょっと炙って散らして生姜と醤油をかけろとか、豚汁に突っ込めとか、豆腐の話からは話が広がりがちだ。適当なところで切り上げる。
いらないと言われれば無理強いはしないだろう。調子のいい家族は、話しながらなんとなく余計に一品買わせるのが上手なのだ。
雪くん、と呼ばれた>>35顔がさっと紅潮する。
大人になりたがりなお年頃だ、自分だけが子供扱いされるのは解せぬと、温かい眼差しを向けてくる横目に麻倉を睨み、仕返しとばかりに]
言われなくても食うよ、ちーちゃん。
[腹を摩った手が鞄のポケットへ伸び、棒付きの雨を取り出す。新商品のお菓子ではないが、これで手を打てと「ちーちゃん」へ押し付けた。]
(48) 2015/03/29(Sun) 02時頃