......否、この世には悪魔がいると言う
同時に天使もいるらしい
なれば、それらの胎を通しその異能を植え付けた上で知識を贈れば更に人は高みに昇れるだろう?
[ぶつぶつと思考を纏める独り言を呟きながら男は天使と悪魔の名鑑を取り出し、頁を繰る。
ガブリエル、リリム、サキュバス、濡れ女、二口女
洋の東西を問わず目に入る名と概要を自らの望みと突き合わせながら目についた名は、リリス。
悪魔の母たる、大悪魔]
ふむ
天使では力ずくでも叶うまい
では契約をした上で、智慧の仔を孕んでもらおうか
[造形が深いわけではないが、錬金術の繋がりで魔術もいくらかは学んでいた。
特に召喚術は、知識を借りるためと称し度々手隙の時に理屈と図を学んでいて、簡易の魔法陣を血で描くのは速かった。
床に描いた真円の図形。一つは大きく、一つは自分が入るだけの大きさのもの。
歌うように紡ぐは召喚の呪。偉大なる闇の太母を目の前に呼び出そうと、敬意すら込めて]
(48) 2014/12/23(Tue) 18時頃