[きょろきょろと辺りを見渡していると、前方にクラスメイト二人の姿が見えた。>>41,>>46
帆北と、藤堂だ。
藤堂は…にしては珍しく、初期に仲良くなった子だった。自分と家庭環境が似ているし、何より兄が大好きということで意気投合するのはあっという間で、彼女の”特殊”な体質に関しても、最初は驚いたが必死になって身体に慣らした。今では、ハルくん、こんにちはなんて、挨拶ができるまでになった。
反面、クラスメイトとは言え、いかつい見た目の帆北に怯えていた時期もある。しかし、彼が見た目ほど怖くない……もっと言ってしまえば見た目に反して優しいという事に気づいてからは、少し警戒を解いてあったりする。
その二人が話しているところに飛び込んで行けば良いのに、…にはそれができない。声をかけようと口を開いてはおどおどしながら口を閉じ、その場でお気に入りのカーディガンの裾をもぞもぞと伸ばしてみる。顔は、カーディガンと同じようにほんのり赤くなっていた。
二人が気付いてくれたなら、控え目に、しかし嬉しそうに笑いながら、二人の輪に入るだろう**]
(47) 2015/06/17(Wed) 14時頃