いや、いや、ちが。
[違うんだ聞いてくれテンションが高いんじゃない寧ろ心中ダークブルーに染まってるんだよドキドキじゃねえ動悸息切れだ。
ーーなどと、キラキラした後輩に言えるはずもなく、なんなら緊張状態で舌が回るわけもなく。
手を引かれればぎこちない笑みを浮かべて辛うじて歩みを進めた。
…の持てるギリギリのプライドはその程度だった。格好付ける余裕などあるわけないだろう!
ふええなんて言っても許される女の子たちが羨ましい。お腹痛い。ふええ。]
あ、アンジョーくん朝から元気だねさすが運動部だよね運動部だもんね……
[ボソボソと吐いた重苦しい声に目は虚ろ。
先ほどまでの勢いは死んだ。息絶えた。
運動部。それは…とは相容れない存在。いやだって運痴ですし。誇れるの逃げ足くらいのもんですし。
いやあ彼はこの新しい学校でも爽やかな青春を送るんだろうな!ビバ青春!アンビシャス!未来は明るい!
校舎に向かって歩みを進めながら、なんとか日常を思い出そうとするも、とめどなく溢れるのは支離滅裂な単語たち。]
(47) 2014/10/14(Tue) 17時半頃