[ ―― ゴツン !
大きく鳴った拳骨の音が、辺りに小気味よく響く。坊主は呻きの一つも上げたかも知れんが、それは自業自得だろう。
小さく鼻を鳴らし、坊主の顔へと手を当てたのならその身体を引っぺがして。
頭の上に籠を乗せてやれば、落とさんようにじっとしてるしか無いだろう――コブが出来たのなら、少し痛んだかもしれんがね。]
あんまり生意気な事を言ってんじゃあねェ。
……礼も言えんような餓鬼は、"嫌いになるぞ"。
[頭の籠が本当に落ちたら面倒なモンで、軽く手は添えたまま。顔を近づけ声を低め、先の坊主の言葉を真似て、忠告するように坊主に告げる。
――まぁ先にも言った通り、本当に嫌いになるなら忠告なんざせんもんだ。だが、坊主が脅してくるのなら、こっちも精々脅しをかけてやろうじゃあないか。
そうしてまた、ん?と坊主の返事を促す。
……痛みでそれどころじゃあない?そんな事は知った事か。
坊主がちゃんと礼を言ったのなら、頭を撫でてやってもいいんだが――言わんのなら、本当に"嫌いになった"ようにそっぽを向いてみようかね。]
(46) 2015/04/10(Fri) 00時頃