[男自身は、先の戦争での個人功績により王から宝勲を賜り、困窮した男爵家とは一線を画す身。ただし、無様にぶら下がる金属の左手と引き換えではあるが。 功績と言うのも、兵を率い圧勝した等の正攻法の出世ではなく、言わば汚れ仕事を引き受け成功させた事によるもの。成功以前、目上の親族からはことごとく嫌われていた事も有り、唯一溺愛していた弟を第二王子ヴェスパタインとの狩猟中の事故で失ってからは、男爵家とは何の関わりも持っていない。 老侯爵へ嫁ぎ、火災で未亡人となったと言う従兄妹──アイリス・ベレスフォード侯爵夫人のパートナーを、男が引き受けたのは何故だったのか**。]
(46) 2011/02/02(Wed) 17時頃