[返された笑み>>36には、こちらもただ笑顔を向けた。
その理由も目的も違えど、同じ「かくこと」で生きている彼女に、親近感を覚えることもある。
絵を見せて、と頼まれることは嬉しいし、彼女とのやりとりは、純粋にたのしい。
彼女と同じように、スケッチブックに言葉を書き連ねてみるその瞬間は、自分も確かに文字をコミュニケーションツールとして捉えていたはずだ。
文字本来の役割を自分と繋ぎとめるのは、彼女であった。
牛乳を一気に飲み干して、スケッチブックを開く。
一度、指の上で鉛筆を転がしてから、真っ白な頁に手を付ける。]
よかったな。
[もう一言。
そうして、スケッチブックを立てた。
《おめでとう》
とてもシンプルな言葉を、図書室にあった本の表紙に使われていた飾り文字を真似て書いただけ。
モニカ>>44越しに、ちらりと見えれば、それで良い。
数秒、そのまま頁を示して、ひらりと席を立った。]
(45) 2014/12/20(Sat) 22時半頃