[背が低い以上に、自分は体力がないし運動音痴だ。由良は運動もできなくないし背が高いから、自然と歩幅は変わってくる。いつも自分にさりげなく合わせてくれる歩幅とは違い、今は自分も小走りで彼を追い掛けていた。それほど、嫌な予感を彼も感じているという事だろう。
連続する階段に少し呼吸を乱しながら、4階に上るにつれ嫌な違和感はどんどんと大きくなった。誰かいるのだろうか?
自分を庇うように前に立った由良の服の裾をきゅっと握る。無性に寒気を感じたのは、冷たく冷えた校舎のせいだけではないはずだ。
ふと、空間を切り裂くような鋭い声が聞こえてきた。>>39
それと同時に由良は走り出してしまった。慌ててそれを追い掛けようとして、躓き、転ぶ。おでこをしこたま階段にぶつけてしまった]
何だってんだよもう……
[情けなさと不安から少し落ち込む気分を頭を振って無理やり切り替える。こういう時だからこそ、自分は笑顔でいないと。そう思いながら、四階へとのたのた駆け上がった]
どうしたの?!何かあった、の……
な、なに、それ……
[床に広がる赤い液体に、酷く見覚えがあった。
あれは、血液だ**]
(45) 2014/04/08(Tue) 12時頃