―5月9日 正午頃 薬局「三元道士」―
[既に昨日の処刑は確認した。トレイルなる男の「生きた」声は聞こえなかったから、彼だろうとは思っていたが、やはり、と。
自分とはあまり接点が無かったから、精神的に受ける負担は少ない。前に進もうと思う程度には。
そうして彼女は、あるだけの現金を手に、薬局へ来た。食欲を抑える薬、強い睡眠薬。そう言ったものは力になるかもしれぬ、と考えて。]
お薬屋さん、こんに―――
[開け放たれた薬局の扉をくぐり、店主の姿を確認。……昨日の人と本当に同じ人なのか、疑ってしまう程度には、沈んでいることが解った。]
――ちは……
[……素直に買い物に来たと言うには憚られる雰囲気。とはいえ、自分から「どうかしたんですか?」と聞ける雰囲気でもない。
立ち去るかどうか悩んだが、それは「出ていって」と言われたら、にしようと決めた。無言で立つ。]
(44) 2013/08/05(Mon) 13時頃