(ベネットの家に上がり込んだ事は伏せ、足元の紙袋を持ち上げる。ここ数日使っていたせいか大分くたびれてきていたが、ある程度の強度は健在だ。割れないようにと固定していた瓶は未だ一つも動かしていない。大事そうにそれを取り出すと、彼女と自分の間に置いた。真っ白な粉末の入った、綺麗な小瓶)
…―『森真珠を薬とした場合、効能は退魔などの悪しきものを払うものになるだろう。場合により治癒の薬にもなり得る。ただ、完成に至る最後の仕上げには未だ魔法の力が必要とされる。私に続く者達へはその研究も頼みたい』
(あの日に見た本の一説を読み上げる>>3:107 自分には魔力がない。だが、カリュクスなら――そっと彼女に瓶を差し出す。そして目を合わせて、他に聞こえないよう続ける)
これは、僕が作った森真珠の薬だ。でも、魔法は使えない。だから、君の力を貸してくれ。そうしたらきっと…これは、"完成"する。*
(44) 2017/08/20(Sun) 13時半頃