[昔からの友人である彼>>35の言葉を聞きながら、彼を眺める。なんだか落ち着きのない動きをしていて、きっと彼のことだから、靴に砂でも入ったのだろう。
……やっぱり、昔と変わらないな。そんなことを考えつつ、投げ掛けられた心配を掻き消すように言葉を返す。]
転ばないさ。昔みたいに、ドジじゃあないよ……。
それに、こんな浅瀬で転んでも、なんともないさ。
[足を水面から上げて片足で立ち、揺らしてみせる。爪先から水滴がぽろぽろと零れ落ち、今自分がここにいるという証拠を見せているかのようで。]
……砂に、ね。
[おれらの"常識"の通り、人が消えたことなどないのに。
それは生き物が呼吸をすること、
林檎が木から落ちること、
この水が冷たいことと同じように。
疑いなどないのだ。これがおれらの常識だから。
だが、疑いがないと同時に、他人に触れてみるという実行にも移さない。やはり自分のこの臆病な性格が影響しているのだろうか。]
…心配性だな、テッドは。
[そういって、こちらを見る彼を目を細めて眺める。ああ、やはり昔と変わらない。]
(44) 2015/04/06(Mon) 02時頃