てめェ……どこまで……
[奥歯を噛みしめて睨みつけても、条件が裏返る筈もない。
重苦しい胸中で床に目を落とす。
そこに、ふと白い腕が視界に入った。
朧だ。>>40
朧がここで繰り広げていた痴態は、キルロイにはさほど衝撃的なものでもなかった。廊下でカツサンドを落とした時から、彼は既に魔の影響を受けていると感じていた。
こんな行為をしているのも、彼自身の闇から魅入られたのではなく、淫気で狂わされたのだろうと思っている。
その細い指で紋を押し込まれると、ぞくんと淫らな衝動が蘇った。]
くぁ、あ、や……っおぼろ、おまえ……っ
[ぞく、ぞく、と快感が身に走る度に、染みついた淫魔の本能が擽られる。どうすればいいかは分かっている。さっきやったようにすればいい。
だが――
視界を上げて二人分の姿を確認すると、絶望の色が濃くなった。
四井との約束を破った時のような苦さが、胸に染みを作っていく。]
(43) 2016/06/17(Fri) 19時頃