「あっ、起きてたんですね。僕も先ほど目を覚まして……直接声をかけるのは初めてだと思います。名を、綾戸 星開と申します。カフェでは度々お見かけしていたのですが、何せ人と交流するのが苦手なもんでね。」
[星開は鷹村さんを見つけるや否やこれまでの慎重な態度とはうってかわって積極的な声かけを行った。同じカフェの常連として通ずるものがあったのか、はたまたその容姿に対して対個の安心感を覚えたのかはわからないが。]
『この人のことは何もわからない。一つ言えるのは、未だに死というものを実感できてないような様子であるということ。文面伝いでのその現象に対し疑念ばかりが浮遊して、自分を見失いそうなところではあるが、どうしたものか。』
[お互いに汚れのないココロを持ちあえばそこには平和な空間が流れる。そう、普段の法に縛られた世界ならば。だがしかし今はそうではない。幾つかの特殊な環境条件下であるだけに一瞬の油断は文字通り命取りになる。]
[彼はふとそんな日常を懐かしく思っていた。]
『生きて帰りたいな。』
(43) 2014/06/18(Wed) 02時半頃