[「どうにかならないんですか先生。この子はまだ中学生なんです」
そう言って震える声で医者に縋る母を見て、その母に向かって首を横に振る医者を見て、自分の事なのにまるで実感が生まれなかった。
だって、突然そんな事言われても、わかる訳ない。
「長くて、あと5、6年でしょう」なんて。
その日から母は変わってしまった。
自分を見るとさめざめと泣き崩れ、ごめんね、ごめんねと謝り続ける。
優しくていつも笑顔だった母を、自分が消してしまった。
だからせめて自分は大丈夫だ、元気だという事を主張するために、少しでも母に笑顔で居てもらう為に。
…は常に笑顔で居ようと決めたのだ。例え辛くても、自分には限られた時間しかない。だからその時間を、精一杯ハッピーに生きられるように。
自分は幸せだったと胸を張って言えるように、…はいつだって笑顔でいるのだ]
(43) 2014/04/12(Sat) 20時半頃