[そこで、ふと思う。
ああいうイラストとかに、嫌悪感とか、なかったのかな。
のどの調子を整えるためって完璧に誤摩化したはずだけど、全うな女子なら「いや、キャラものはちょっと」とか言うんだろうかって思うと、欲望が透けていそうであわわわ。
書店で会った彼は、驚かせてはしまったけれど普通に接してくれていたし。]
お礼、ちゃんと言ってないなあ。
[舞い上がったありがとうは言ったけど。
事故で鞄の中身をぶちまけないよう、グッズは持ち歩かないようにはしているのだけど、この飴はなんとなく持ち歩いてしまってる。
そんなキラキラ飴を取り出してうーんうーんと思案。
――してたから、人影に間近まで気付かなくて]
あ、 すみませ、
[ぶつかりそうになって、あわててよける。
右手にカイロ。左手にキスプリ飴。
見覚えのある顔に、2度目の「あ」
――この飴の、元の持ち主さんだ、って思って。]
(43) 2015/11/01(Sun) 06時半頃