……そう。 ちょうどそのとき、隣のやつが、 耐えかねた って感じに、大きなあくびをして、 『まったく、どうしてこんな話を聞かされているんだ』 とでも言いたげに、時計を確認して。 それが、あんまりにも完璧に、他人事ってふうだったから、 俺は、心の中で、ゆっくりと10まで数えてから、 そうっと、その真似をする。 数字の意味なんて考えなくていい、 当事者ではない誰かに見えますように。 当事者ではない、誰かに。
(43) 2017/03/08(Wed) 12時半頃