[静かに話すタイニーが、よもや脳内スパイ映画を繰り広げている(>>29)とは知る由もなく、自信なさそうな視線や物言いには、若くして亡くなった母を思い出す。
綺麗で穏やかな人だった。
男の記憶に多くが残るわけではないので、写真と褪せた記憶からの印象だけど。
自己主張が苦手なのか、妙な卑下をしたタイニーの喉がごくりと鳴る。
なるほど、食べたいのは正解のようだ。
こちらをちらりと見てきた視線(>>30)を受け取って、にこりと微笑んだ。]
お姫様の仰せのままに。
ちょっと待っていてくれ。
苦手なものは?
[返事があれば頷いて、なければ皿の上に一口ずつ料理を乗せていく。
生ハムサラダ、香辛料の香りが素晴らしい唐揚げ(>>0:128)、海老のマリネ、ポテトグラタン、焼売、ロールキャベツ、小ぶりのクロワッサンと白パン、などなど。
別にした皿にはデザートとして、小さな器に盛られたプリンと、チョコレートケーキと、餡子に果物と白い玉と抹茶色のアイスが盛り付けられたものを見つけて、スプーンと共に添えた。]
(42) 2017/05/04(Thu) 21時頃