[ 今この時を生きる為に、自分は存在していたのだと云わんばかりの破顔。
すると、生み出されていた裂け目の輪郭からバチバチィッ‼︎ と潤に染まった迅雷が迸る。
通常の雷とは一線を画する、格がまるで違うのだと、強制的に周囲へ思い知らせる雷霆の一端。
其の窮屈な裂け目から飛び出し、部屋を、家具を、侍女を、そしてサイラスを呑み込もうとした迅雷は、しかし依然裂け目の中へ封じられている。]
だめだダメだ駄目だ、キミの『嵐』に好き勝手をさせるわけにはいかないよ。この為の『契約』だ、ワタシはキミを滅ぼす為の術を得て、『魔術師』殿の敵と相対する。こんな傭兵の真似事をするだなんて……あぁいや、今はそんなに怠くないな、此れも『悪魔』殿の力がいくらばかりか漏れ出している証拠か、あれだけ念入りに編み込んだ『封』の奥底へ閉じ込めても、其れでも押し寄せるこの力の奔流。今暫くは利用させてもらうよ、この拠点に攻め込んだ連中を締め出すとしよう
(41) 2014/07/19(Sat) 18時半頃