[影流は、何の用で来たのだろう。その疑問は、キルロイの傍らに置かれたシリンジを見て、解決する>>32薬、持ってきてくれたのか。ありがとう。その言葉は、あまりに切なくて立ち入るのが憚られるような影流の様子に、ついに告げられない。慈しむような、指先の動き>>33首元の紋を避けているそれに、何も言えずに息を飲んだ。欲望にかられて、キルロイを汚した自分とは、違う。例え、キルロイを楽にしたいという気持ちからきた行為であっても。自分はキルロイを抱き、影流は薬を持ってきて優しく彼の体調を慮っている。押しつぶされそうなほどの罪悪感と、影流への、嫉妬の入り混じった羨望]
(41) 2016/06/09(Thu) 18時半頃