[ひとしきり泣いて、わんわん泣いて、まぶたがひりひりかさかさと真っ赤になった。
鏡をみなくったってわかる。今のあたしはきっと、ぶさいくだ。
些細なことで少女が泣き出してしまうのは、ほんのいつもの出来事。
もしかすると、すっかり呆れてしまっている子もいるかもしれない。なきむしで、泣いて泣いて、いつも周りを困らせて、なんて。
けれど、今日のなきむしは一人じゃなかった。>>31>>32
祈りの堂でひとりおいのりをするシルクちゃんを知らなくても、きっと傷つけてしまったのだって思ったら、ぎゅっと息がくるしくなった。
逃げるように離れていく背も、まぶたを開かなくなった小鳥にも置いて行かれて、花畑のエリはひとりぼっち。
どうしたらいいかわからなくって、草むらの上に寝そべらせた雛は、もう動かない。
お天道さまが地面をあっためても、少女のちいさな手の中に包んでも、もう目を覚ましはしないのだ]
(41) 2016/10/07(Fri) 01時半頃