―現在・生物学教室前―
クロエさん。俺に、は、そんな体質があるんです。
[男は、己の体に埋め込まれた宿命を、力なく語っていった]
もしかしたら、クロエさんがされた検査、も、そこに引っ掛かって、いるのかもしれません。
……教壇の近くに、俺の荷物が、あるでしょう?
そこに、カルテの写し、も、サンプルの瓶、も、置きっぱなしにしてあります。
確認、してください。
[リンダはどうしただろうか。どちらも確かに生物学教室の中にあるはず。
ただ、彼女が専門的な知識を要する診療録を、読み解くことができるかどうかは、分からない。
そして、仮に読み解け、仮にリンダの行った検査が引っ掛かるという旨が記載されていたとしても。
それはあくまで、『男の体質ため反応した可能性がある』ということが分かるにすぎない。
まして、一緒にある新薬入りのバイアルについては、生物学教室で行えるくらいの検査については、使い道があるとも思えない]
(41) 2011/12/03(Sat) 03時半頃