[緒戦の一当ては、数の利で辛うじて西の暴れ熊を抑えようとする山芭軍である。
その独特的な勇猛さ、そして大槌を振るうはひと際凶暴な暴れ親熊である。
本陣で担がれる御輿では、白んだ髪の老女が、パツン、と閉じた大扇で掌を叩いていた]
角桛の家紋、森ん熊槌やな。かははは!
まだ攻めんでええ。ええ!
ちょい様子みながら後ろば行きますえ!
[山芭軍は、すべてを破壊し突き進む破竹の勢いを見せる様はない。
踏み止まる番瓦衛門の前を、桜か漣の景色が見え隠れするだろう。
緩やかに後ろへ退く波か、ゆらゆらと不定に揺れる桜花弁か。山芭軍はじりじりと防御を取りながら後退の様子を見せる。
大口径の鉄砲隊、老齢に関わらぬ大攻の、山芭当主が大鉄砲隊は未だその姿を見せず
山芭軍は不気味な沈黙の如く、桜の園に迷い込んだ森軍を見ていた**]
(41) 2015/05/18(Mon) 17時頃