―謁見の間―
[主のいない謁見の間は余計に広く感じた。
自身が持ってきた剣とそのフロアを見渡して。]
昔は、もっと人がいたからだろうな。
これより狭く感じた……でも、糞親父と2人で話す時は広く感じて。
そっか、俺は身体は成長しているんだな。
[いつまでも子どもではいられないのだと、今更ながらそんな事に気がついて。
持ってきた魂剣・華月斎を鞘から抜き出す。
そして、 ――――…そこに突き刺した―――]
『ホリー、注文の品だ。
無能な俺でもいていいとか、優しい君はそういうかもしれない。
誰にでも救済を与えるからと君の言葉を聞けば、その言葉に心酔してしまうだろう。
そうなると、俺は君の騎士になってしまうから。
無茶と奪う事はしないでほしい。人の信じるモノは人それぞれなのだから。
どこにいても君を愛している。
君が人の道を外さぬ事を祈って。』
(40) 2012/08/10(Fri) 06時半頃