[オズワルドとの小声での話は、短く。やはり素晴らしい教師だと、背を叩く彼に深く礼をした。それから、ふと思い出したように自分の荷物を漁ると、一枚の紙切れを彼に差し出した。礼にはほど遠いけれど、今彼に渡せるものは、これだけ。開けば、オズワルドとミッシェルが笑いあっている絵がある。黒のインクしか持ち合わせないヴェラの絵の中の思い出は、暗い色合いは黒でしかなく、明るい色全てが紙の白でしかない。]
(40) 2015/10/14(Wed) 03時半頃