[”光”。太陽だ
吸血鬼になってから冷たい月しか見てなかった俺は、久方ぶりの”陽の光”を見たんだ
泣きそうだった。今迄の惨めな人生を全部溶かしてくれそうなほど、その光は見てて暖かかった。
…だがまあ、それを浴びようと手を出したらその部分がまるまる灰になっちまったんだけどな。もし女王が気付いてすぐに魔力供給をしてなきゃ俺は死んでたさ
ーーーそしてそこからだ。俺の死んでた心が生き返ったのは
俺が決めた訳じゃねぇのに何もかも理不尽に取り巻く周囲に初めてムカついた。
後で女王が純粋な吸血鬼でありながら大凡の弱点がなくて、しかも何事もなく陽の光を浴びれると聞いた時点で俺の決意は固まってたんだろう
俺は上級悪魔になる為に我武者羅に走った。
とある上級悪魔の元で200年、地獄のような修行もした。少なくとも一万以上は死んだってくらいな
そしてこの計画を潰されない為に変わらず女王に媚を売りつづけた。そんな自分に反吐が出そうだった
……だがまあ、今から400年くらい前
部下と女王が纏まって城にいる時に遂に纏めて屠ったという訳だ。呆気ない程の下克上だった
そうしてなんやかんやで現在、俺は此処にいる]
(40) 2015/08/05(Wed) 20時半頃