[散々逡巡した後、ぺろり、と押し付けられたものを舐めれば、塩気を感じるそれに、自分の行為に吐き気を催す。
けれど、ただ渇いていて。
血欲しさに、拙い仕草でそれを舐め続けていたか。
けれど、そんな時間も唐突に終わる。
疲れ切った体は、周りの音を明瞭には拾っていない。一座の仲間が近くにきていることも知らなかった。>>5:151
急に終わった時間にぼんやりと顔を上げれば、慌ただしく身支度を整える蹂躙者がいて、助けの手が近くに来ている事を知る。
けれど
……――自分の身を見たら、皆逃げるだろうか。
不安はあれどだからといって立ち上がることすら出来ないほど体は疲れ切っていて。頭を撫でる手から逃れるように少しだけ顔を背け、去っていく背を見送る。
何とか這いずって体を小川に浸して汚れを落とし始めたころ、一座の者たちと顔を合わせた。
その後、暫く一座に身を寄せていたが、彼らの血を糧にする自分の業に耐えられず、緋の逆五芒星に入隊して、再び蹂躙者と仲間として邂逅した。*]
(39) 2014/02/06(Thu) 23時半頃