[世間から見て、普通じゃない。
とっくに人生は壊されていて、ギリギリの危うさで繋ぎ止められているだけ。
ただの哀れな犠牲者。それどころか、穢されることを拒まなかった、異常者。
――それが、あたしの本当の姿。
その現実から目を逸らして逃げるしか、自分を保つ方法は無かった。
館石、という名字が大々的に報道されたことで、感付くクラスメイトもいた。
でもあたしは誤魔化し続ける。ただの偶然だよ、と。>>0:144
いつも明るくポジティブに過ごしていれば、誰も想像なんかできないでしょ?
あたしが“可哀想な被害者”だなんて。
先生はもういない。
でも、教えられた魔法は残り続けている。
あたし自身を保つために、縋り続けている。
良いことや楽しいことだけを考えて、辛いことや悲しいことから目を逸らし、見えなくなるまで塗り潰すんだ。全部。]
(39) 2015/07/12(Sun) 03時半頃