[秋野がそこに辿り着いた時、既に殆どの者がそこにいただろう。
泣き崩れるしずくや、それを宥める者、立ち尽くす者。
目の前の光景がよく分からなくて、近くにいた芽耶の口調の変化にも気付けない。>>24
彼らの向こう、それはどうみたって、文化祭にふさわしくない、何か。>>#3]
え、あれ、……なんで……?
[頭の中が、混乱で埋め尽くされる。
ここは、たのしいたのしい、夢の世界じゃなかったんだろうか。
自分で勝手に作り上げていた幻想に、綻びが入ってしまったような気持ちになる。
窓ガラスにさえヒビが入らないぐらい、強固な幻想なんじゃ、なかったの。
こういう時、どうしたらいいのか、秋野には分からない。
途方に暮れて立ち尽くす。
そんな中で、耳は勝手に、よく馴染んだ声を拾った。>>32
続いて、朱美の良く通る声。>>37
いったん教室に戻ろう、その提案に従って、何人が動いただろうか。]
(39) 2015/06/22(Mon) 01時半頃