ほら…………
[言いかけて、口を閉ざす。
『クロエさんのように――――』とは、手際を称えてのものとはいえ、多感な年頃の若者にはどう受け取られるかは分からない。
ましてこの教室内では、行われる実験に嫌悪感を抱いている生徒が多いことも、容易に察することができるのだから。
結局、「どうしても難しそうだったら、俺を呼んでください」の一言を送るに留めると、先ほど視線を向けた生徒たちの集う台へと向かっていった]
それじゃ、俺はさしずめ悪趣味な教義の布教者ってところでしょうか?
[両腕でブレーキをかけながら、聞こえてきたやりとり>>7におどけた苦笑をする。
台の上にある命はすでに、神経中枢の大半を消失していた>>6。
先ほど見かけた手際に違わず、教師の目から見ても適切と思える手順で。
非難の色は一切帯びずに、男は柔らかな声を紡ぐ]
気持ち悪いなんて言われてしまったら、蛙さんも可哀想じゃないですか。
クロエさん達の糧になるよう、こうして身を捧げてくれているんですから。
無駄にならないように、しっかり学んでいきましょう。
(39) 2011/11/26(Sat) 19時頃