[ 目を凝らして、いや、凝らす程じゃあ、なかったな。 落ちたかのように粉々になったそれを見ただけじゃ、 誰かなんて、分からなくて。でも。 そばに、粉々なそれの横に、あるもの。 ――向日葵だ、って、咄嗟に声が漏れる。 それは、彼女本人だったのか、 あるいは、別の、花の名前だったのか。 呟いて、ああ、"誰"か、を。遅れて理解した時に、 多分、暫く、無言でいた。 ]
(38) 2015/11/07(Sat) 02時半頃